借金400万円を任意整理すると、月々の返済額はどのくらいになるのでしょうか?
借金の返済方法には、任意整理以外にも個人再生や自己破産などの方法があり、それぞれにメリットとデメリットが存在します。
他の債務整理方法と比較してどのような違いがあるのかも見ていきましょう。
この記事では債務整理方法の比較や、任意整理で400万円の借金を返済するメリットなどについて詳しく解説します。
月々の返済額シミュレーションから、どう借金を返済していくべきかを学んでください。
【結論】400万円の借金を任意整理する際の月々の返済額
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任意整理による400万円の借金返済額についてのシミュレーションを月々の返済額ごとに解説します。このシミュレーションでは、クレジットカード、消費者金融、銀行からの借入れを想定し、年率15%の条件で計算しています。
月々6万円返済の場合
返済期間は約149ヶ月(12年5ヶ月)となり、返済額は約864万452円となります。
この返済額だと、元金の2倍以上の返済が必要となるでしょう。
月々7万円返済の場合
返済期間は約104ヶ月(8年8ヶ月)となり、返済総額は約721万2,798円です。
400万円を返済するのであれば、月々7万円が最低ラインとなります。
月々9万円返済の場合
返済期間は約67ヶ月(5年7ヶ月)となり、支払総額は約597万2,404円となります。
9万円の返済を続ければ、完済までの期間もある程度現実的と言えるでしょう。
月々10万円返済の場合
返済期間は約57ヶ月(4年9ヶ月)となり、返済額は約566万5,816円です。400万円を完済するのであれば、10万円以上の返済を続けるのが理想的でしょう。
任意整理を行うと、金利カットや分割回数の増加などの恩恵を受けられます。これにより月々の返済額が減少し、返済総額も低く抑えられます。
借金返済に困っている場合は、専門家に相談し適切な返済計画を立てることが重要です。
400万円の借金を返済する方法
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400万円の借金返済には、自己破産や任意整理などの法的手段を考慮することも重要です。
返済期間を短縮し、経済的な負担を軽減できます。400万円の借金を返済する方法は以下の3つです。
- 任意整理
- 自己破産
- 個人再生
それぞれ詳しく解説していきます。
任意整理
「任意整理」とは、借金の返済が困難になった際に、弁護士や司法書士などの専門家が債権者と交渉し、借金を減額したり、返済の分割回数を増やしたりする手続きを指します。
この手続きにおいて、利息のカットや分割回数(3年〜5年程度)について交渉し、今後の返済計画についての和解を結びます。減額できるのは、利息制限法で定められた利率より高い利息の借金に限ります。
任意整理のメリットは、これから支払う返済金の利息をカットしたり、分割回数を増やして月々の返済額を少なくできる点です。また、過払いがある場合は返金を受けることも可能になります。
デメリットは、任意整理を行った記録が信用情報機関に5年間残り、新たにクレジットカードを作ることが難しくなる点です。
しかし、完済から約5年経過すれば、事故情報が削除されクレジットカードの審査に通る可能性は高くなります。
任意整理は、借金返済に困っている人にとって有力な選択肢の一つであり、早めに専門家に相談することをおすすめします。
自己破産
自己破産は、債務の返済ができなくなった個人が裁判所に申立てを行い、一定の手続きを経て債務を免除する制度です。
具体的な手続きとしては、まず裁判所に「破産申立書」を提出し、その後裁判官と弁護士、本人の3者で面接が行われます。面接では資産や借金額、自己破産に至った経緯などの事情を説明します。
手続きの種類には「同時廃止事件」「管財事件」「少額管財事件」の3種類があります。
同時廃止事件は、債権者に分配するほどの財産がない場合にとられる手続きで、破産管財人による財産の調査・換金・分配の必要がなく、裁判所への支払いも最低限で済むでしょう。
免責許可の決定が確定すると、破産手続開始後の借金や、子どもの養育費、税金、罰金などの例外を除き、債務を返済する必要がなくなります。
ただし、ギャンブルなどによる浪費、詐欺的な手段で融資を受けたこと、裁判所に虚偽の書類を提出したことなど、免責不許可事由がある場合は免責を得ることができません。
個人再生
「個人再生」は、返済が困難になった借金を減額し、その後の金額を原則3年間で分割返済する手続きです。
個人再生手続には「小規模個人再生手続」と「給与所得者等再生手続」の2つがあり、前者は個人商店主や小規模事業者を対象とし、借金総額が一定額以下で将来的に収入を得る見込みがあることが条件です。
後者はサラリーマンを対象とし、収入が安定していることが追加条件となります。
個人再生のメリットは、借金を大幅に減額でき、マイホームや車を保持したまま返済が可能になる点です。しかし、デメリットとしては、信用情報機関に事故情報が登録され、新規のクレジットカード発行やローン契約が困難になることがあります。
手続きには、申立書や陳述書、債権者一覧表などの書類が必要で、手続費用も発生します。
弁護士がいる場合といない場合で必要な費用は異なり、最低返済額も借金総額や収入状況によって変動します。自身の状況を詳しく把握し、適切な手続きを選択することが重要です。
任意整理で400万円の借金を返済するメリット
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任意整理を行うと、400万円の借金返済における利息が大幅に減少し、返済額を軽減できます。任意整理で400万円の借金を返済するメリットは以下の3つです。
- 利息がなくなる
- 早く返済できる
- 遅延損害金をなくせる
それぞれのメリットを解説します。
利息がなくなる
任意整理は、債務者が債権者と直接交渉し、将来の利息をカットする手続きです。
例えば、400万円の借金がある場合、任意整理を行うことで、その後発生する利息がなくなり、返済総額が減少し、返済が早まる可能性があります。
任意整理の大きなメリットは、利息制限法の上限利率を超える利息の契約がある場合、過去に払い過ぎている利息を元本に充当して債務を減らすことができる点です。
また、任意整理は裁判所を通さない手続きであり、手続きが比較的簡単で、収入や資産を証明する資料を準備する必要もありません。
しかし、任意整理によって利息がカットされるだけで、借金の元本は減らないことを理解することが重要です。任意整理を行う際は、元本の返済計画をしっかりと立てる必要があります。
早く返済できる
任意整理による400万円の借金返済では、「早く返済できる」というメリットがあります。任意整理を行うと、将来発生する利息がカットされるため、元本のみの返済になります。
これにより、返済期間が短縮され、精神的な負担が軽減される可能性があります。また、早期に完済することで、信用情報の回復が早くなる点も大きなメリットです。
ただし、任意整理で利息がカットされている場合、繰り上げ返済によって返済総額が減る金銭的なメリットはありません。
遅延損害金をなくせる
遅延損害金とは、返済期日を過ぎてから完済するまでの間に発生するペナルティ的な利息で、法律上の上限は年率20%とされています。この遅延損害金は、借金の残額全体に対して計算されるため、滞納が長期にわたると膨大な額になってしまうかもしれません。
任意整理を行うことで、将来発生する遅延損害金の全部または一部の免除を受けることが可能です。これにより、返済総額が大幅に減少し、返済計画が現実的なものになります。
また、任意整理では、債権者との交渉により、すでに発生している遅延損害金についても減額を受けられる可能性があります。
任意整理の交渉は、弁護士などの専門家が行うことが一般的で、専門家に依頼することで遅延損害金をカットする成功率が高まるでしょう。
債権者も、債務者が返済不能に陥り自己破産などの手続きに移行されると、結果的に損をする可能性があるため、任意整理での和解に応じることが多いです。
遅延損害金をカットできれば、借金返済の負担が軽減されるだけでなく、返済期間の短縮にもつながります。しかし、任意整理に応じない貸金業者も存在するため、個々のケースに応じた適切な対応が求められます。
まとめ
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任意整理を行うと、400万円の借金返済における利息が大幅に減少し、返済額を軽減できます。
任意整理のメリットとしては、利息がなくなること、早く返済できること、遅延損害金をなくせることです。
これらのメリットにより、返済計画が現実的なものになり、経済的な負担を軽減することが可能となります。しかし、任意整理が最適な解決策であるかは個々の状況により異なります。
そのため、専門家に相談し、自身の状況に最適な解決策を見つけることが重要です。少しでもお困りごとがあれば、気軽にできるLINE相談がおすすめです。