債務整理後の5年〜10年間は、信用情報機関に事故情報が登録されてしまうため、与信審査のあるクレジットカード、カードローンなどは基本的に作成できません。
しかし、ブラックリストに登録されている数年間を、現金支払いや銀行振込みだけで対応することはどうしても不便だと感じている人は多いでしょう。
この記事では、債務整理後にブラックリストに載っている状態でもデビットカードは作れるのか、デビットカードのメリット・デメリットについて詳しく解説していきます。
【結論】デビットカードはブラックリストに載っていても作れる!
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デビットカードは、債務整理によってブラックリストに登録されている債務者でも利用・作成が可能です。
デビットカードは、店舗やネット通販での決済と同時に、紐付けされた指定の銀行口座から資金が引き落としされます。
クレジットカードは一時的にカード会社からお金を借りる形となりますが、デビットカードは自身の口座から直接お金を支払うことになります。
つまり、デビットカードには信用取引の要素がないので、債務整理をしてブラックリストに載っていても利用することができるのです。
ブラックリストに載ると使えなくなるカードとは
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債務整理後にブラックリストに登録されると、これまで使用していたカードが使えなくなり、新たに作成することもできなくなります。
一方で、債務整理後でも利用・作成が可能なカードも複数あります。
それぞれについて、以下で見ていきましょう。
使えなくなるカード
- クレジットカード
- 銀行カードローン
- 消費者金融のカード
- クレジットカードに付帯のETCカード
- 立て替えサービス付きデビットカード
基本的に、与信審査のある後払い方式のカード全般は利用・作成ができなくなります。
使えるカード
- デビットカード
- プリペイドカード
- バーチャルカード
- デポジット型ETCカード
信用取引の要素のない上記のカードは、ブラックリストに載っていても問題なく利用・作成することができます。
そもそもデビットカードとは
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債務整理後にブラックリストに載っている債務者でも手軽に利用できるデビットカードですが、そもそもどのような仕組みのカードなのでしょうか?
クレジットカードとの違いや仕組みについて、以下で説明していきます。
デビットカードとは
デビットカードとは、販売店やネット通販で買い物をした際に、指定した銀行口座から即時に資金の引き落としが行われるカード決済方法です。
銀行口座から直接現金を引き出さずに買い物ができる利便性や、預金口座の残高までしか決済に使えないのでお金の使いすぎを防止することができ、近年利用者も増加傾向にあります。
また、利用者の銀行口座から即時引き落としになる仕組みから、申し込み時にカード会社による与信審査がなく、ブラックリスト情報がチェックされないことも大きな特徴です。
したがって、デビットカードは債務整理後、ブラックリストに登録されている債務者でも作成や利用ができるカードとなっています。
勤続年数や安定した収入があるかなども問われないため、クレジットカードに比べると簡単に申し込みができる印象です。
債務整理前のデビットカードを継続できる
債務整理前から使用しているデビットカードについても、債務整理後そのまま使用することができます。
デビットカードは現金利用と変わらないため、クレジットカードのように利用者に対する定期的な与信審査や、更新時のブラックリストのチェックがありません。
よって、債務整理前から利用しているデビットカードにブラックリストの影響は全くないことになります。
原則、債務整理とデビットカードは無関係であると認識しておいて良いでしょう。
デビットカードのメリット
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メリットカードのメリットとして以下の3点が挙げられます。
- 入会時に審査がない
- 口座と紐つけできる
- 保険・補償が付いている
以下で、デビットカードの各メリットを詳しく解説していきます。
入会時に審査がない
デビットカードは、申し込み時に審査がなく、債務整理後ブラックリストに登録されてる債務者でも利用できる点が大きなメリットです。
ブラックリストに登録されている債務者にとって、クレジットをはじめほとんどの信用取引は不可能となってしまいますが、デビットカードであれば問題なく新規で申し込みすることが可能です。
口座と紐つけできる
デビットカードは利用者の銀行口座と紐付けをし、指定口座から即時資金決済をする仕組みなので、自動的に預金残高以内でしか決済することができません。
したがって、ついついお金を使いすぎてしまい、支払い能力を超えた決済をするリスクを未然に防ぐことができるのがデビットカードの魅力の一つです。
常に口座の残高を意識してカード決済することにより、債務整理後の生活再建をよりスムーズに進めることができるでしょう。
保険・補償が付いている
デビットカードには、クレジットカードと同様に、ショッピング保険や不正利用補償サービスが付帯されている点も大きなポイントです。
盗難や偽造により不正利用が発生した場合には、補償制度も整っているため安心して利用することができます。
デビットカードのデメリット
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デビットカードのデメリットは以下の5点です。
- 残高がないと使えない
- 分割・リボは選択できない
- クレヒスに記録されない
- ETCは発行できない
- 仕様範囲が広い
以下で、デビットカードのデメリットについて詳しく見ていきましょう。
残高がないと使えない
デビットカードの特性上、預金口座に残高がなければ決済はできません。
よって、残高がなければ、その時に必要なものが購入できない事態になってしまいます。
ブラックリストに登録されている間は、現金利用が中心の生活となるため資金計画がたいへん重要となってきます。
日頃から、口座の残高を意識して計画的な生活設計を心がけましょう。
分割・リボは選択できない
デビットカードの支払い方法は一括支払いのみとなっています。
よって、クレジットカードのように分割払いやリボ払いの選択は出来ません。
そもそも、債務整理をし、その後の生活再建を目指す債務者にとって、高い利息が発生するような分割払い、リボ払いの支払いを選択することはおすすめできません。
日頃から、支払い能力の範囲内で必要なものを購入する生活を心がけましょう。
クレヒスに記録されない
クレヒスとは、クレジットカードやローンの利用履歴のことを指します。
今後のクレジットカードの申し込み時や更新時に影響するため、着実に良いクレヒスを積み上げていくことが大切なポイントとなってきます。
しかし、クレジットカードとは異なるデビットカードの決済では、クレヒスは育ちません。
将来的にクレジットカードやローンを組みたいという方は、ブラックリストの登録が消えてから新たにクレジットの申し込みをするなどして、クレヒスを積み上げていくことが必要です。
ETCは発行できない
デビットカードには、クレジットカードのようにETCを付帯させることはできません。
債務整理後も毎日の通勤等でETCカードが必要な場合は、デポジット型(保証金)のETCカードであるETCパーソナルカードに切り替えるなどの手続きをしておきましょう。
仕様範囲が広い
デビットカードはクレジットカードに比べると使える範囲が狭い傾向にあります。
携帯代金や公共料金など生活全般の支払いをクレジットカード決済にしていて、そのままデビットカードへの移行を考えている場合は注意が必要です。
現状、デビットカードは公共料金などの決済手段として認められないケースも多いので、事前に対応可能なのかをしっかり確認しておくことをおすすめします。
まとめ
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債務整理後、ブラックリストに登録された債務者でもデビットカードは比較的簡単に申し込み・利用することが可能です。
ブラックリスト登録によりクレジットカードが使えなくなってしまうことで、その後の生活に大きな支障をきたしてしまう可能性は高いですが、ある程度の範囲をデビットカードで代替えすることができます。
デビットカードでは、預金口座との紐付けにより支払い能力以上の決済ができない特性があるため、債務整理後の生活再建には相性の良い決済方法です。
デビットカードを上手に利用して、家計を正しく管理していくことを心がけましょう。